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気圧が下がると


 気象病という言葉を聞かれるようになりました。気候や気圧の変化で体調が悪くなることをいいます。季節の変わり目や梅雨、台風の多い時期に悪化することが多いようです。

 

 長年の頭痛に悩んでいた女性で漢方薬(呉茱萸湯)を飲むようになって少しは軽くなった。引っ越ししてきたので続けて飲みたいと来られました。

 頭痛は生理の始まる前から終わるまで続いて、呉茱萸湯を飲んでも痛い時は鎮痛剤も飲んでいるそうです。しばらくは更年期のホルモンバランスを整える漢方薬と呉茱萸湯を併用してもらいました。月経に伴う症状がやわらいできたのですが、頭痛は呉茱萸湯を飲んでも、うっすら残っているとのことでしたので、他の漢方薬(五苓散、川芎茶調散)に変えたところ、とてもよく効いたようです。

 

 よくよくお話を聞いてみると、天気の悪くなる前日に頭痛がひどくなるとのことで、気圧が低くなる最初、下り坂の時に敏感に反応していたのです。ということで、晴れていても前線が近づいているとき(翌日から曇り、雨)には、多めに飲んでもらうようにしたところ、症状がとても安定しました。ご自身は、低気圧に弱いとは思ってもみなかったとのことでした。

 

 頭痛の患者さんのなかには、沖縄に台風が来ると悪くなるというかたもいらっしゃいます。雨が降ってしまえばよくなるので、天候に左右されていないと思っているかたが多いのですが、「下り坂」がダメなんです。

 頭痛もホルモンバランスを整える漢方薬と一緒に飲んでもらうと、改善が早いようです。