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ご飯を食べると 1


 ごはん(米飯)を食べるから太る、ごはんは体に悪い、のではなく、油脂(アブラ)を食べ過ぎるからです。油脂が多いから、炭水化物を食べると血糖が上がりすぎてしまう。その状態がずっと続くと糖尿病になってしまうのです。アブラに注目してみてください。

 アメリカ・ヴァージニア工科大学の研究で、たった5日間の高脂肪の食事で、インスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが悪くなることがわかったそうです。(ほらね)(その時のメニュー:ソーセージパン、チーズとバターがたっぷりのマカロニ。脂肪比率55%)

 日本人(アジア人)はもともと農耕民族で脂肪が少ない食事ですから、インスリンは少量で足りていました。肉や乳製品の多い欧米の食事は、インスリンがたくさん必要です。欧米人のインスリンを出す能力は、日本人の2倍です。膵臓が大きいのです。インスリンを出す能力の低い日本人が、油脂の多い食事をして対応できなくなり、糖尿病や動脈硬化が激増しています。

 米を悪者にしていますが、米の消費量は戦前の半分以下、油脂の消費量は激増しています。米が犯人ではないのです。血糖値が上がり過ぎてしまうのは、アブラが多すぎるからです。

 その肉や乳製品をたくさん食べるオーストラリアでの20年以上に渡る調査のお話です。肥満が多いということで砂糖の消費量を20%減らすことに成功したのに、肥満が約3倍増えたということです。減らした砂糖の代わりに増えたのは、ピザ、フライドポテト、ケーキ、クッキーなどの、脂肪とコムギでした。(ねっ、アブラです。)

 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という糖尿病の指標があります。過去1ヶ月くらいの血糖の様子を表しています。血糖の高い状態が続いていると数字が大きくなります。正常範囲は4.6~6.2%です。

 Aさんという50代の男性は、もともとHbA1cは5.5%でした。3ヶ月の長期出張で、コンビニ弁当とカップ麺のホテル生活。帰ってきたら、HbA1cが8.2%になっていました。そこで、朝はおむすび、昼は(仕方ないので)コンビニ弁当、夕食はご飯をたくさん、おかずはキャベツと肉をフライパンに入れてフタをして蒸し焼きにし味を付けたものに替えてもらいました。そして2ヶ月後、HbA1cは6.2%に。がんばりました。この間、変えたのは食事だけです。アブラを減らしただけ、ごはん(米飯)をたくさん食べています。体重も減りました。

 ほら、いいこといっぱい。

 ナッツもチーズも魚も肉もたくさん食べたら、アブラがたくさん入ってきます。ほどほどに。